ディスカッションプログラムって何?

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ディスカッションプログラムは価値システム専攻の特色あるプログラムです。プレゼンテーションやディスカッションを通じて、プロフェッショナル・コミュニケーション、パブリック・コミュニケーション能力を高めることを目的とします。専門分野や価値観の相違を超えて、自己の意見を論理的かつ説得的に他者に伝え、また、他者の異なる意見をも理解し、討論を通じて、より高度な判断と意思決定を導く能力を養います。とくに、文理融合の研究成果を発表するには必要不可欠な能力です。オープンセッション、ディベート、スモールグループ・ディスカッション、グループ・プレゼンテーション、スピーチ等の様々なコミュニケーション能力を高めるプログラムから成り立っています。さらに、VALDES フォーラムや交流ディスカッションといったプログラムも用意されています。価値システム専攻ではこれらを総称して DP、ディスカッションプログラムと呼んでいます。

種類
■オープン・セッション "OS"

[A] 形式
発表者の個別報告をもとに、オープンセッション参加者と討論することが基本形です。コメンテーターが発表者の報告内容のポイントとなる部分を指摘するなどして討論を促します。
[B] 目的
自分の専門分野の研究を他の分野の学生(例えば、ゲーム論を専門として研究する人が歴史学等の専門の人)にも分かるように報告することを目的とします。社会(企業でも研究施設)では異なる分野の人々と協同して仕事をして行く必要があります。その際に、自分の専門で「常識」となっていることは、他の分野では「常識」となっていないことがあります。知識を共有して協同して仕事をしていく場合には、専門分野での研究会や学会での報告とは異なった視点=「他の人にも分かりやすい」プレゼンテーションを身につけることが大切なことになっていきます。
[C] 応用
発表者の報告内容によって、報告の後に若干の質疑応答を受けるというものではなく、例えば、アンケートを取り集計しながらオープンセッションの参加者に合わせて発表の内容を発展させていくこともできます。また、初めに、発表者が概略的なことを説明し質問を受けた後より専門性の高い発表にしていく等の報告が従来試みられてきました。自分の発表内容に合わせた報告の形式を考えることも、オープンセッションの重要な点となります。

■ディベート "DB"

[A] 形式
あるテーマについて肯定側と否定側に分かれて討論をし、審判が肯定側と否定側のいずれの議論が優れていたか(説得的か)を判定します。本年度は即興性重視型ディベート(パーリアメンタリー・ディベート。ディベート試合数十分前に論題を提示し、即興的に行う)および論証重視型ディベート(ポリシー・ディベート。時間的余裕を持って論題を発表し、十分リサーチをして証拠書類を用いた論証に重きを置くディベート)を各期各1回実施する予定です。
[B] 目的
テーマについて論理を立てるために必要な資料を収集して分析します。その上で、論理に基づいて議論が進められるようにすることが目的であり、必ずしも議論に勝つことが目的ではありません。肯定と否定の2つの立場から議論することで、テーマに含まれる具体的な問題点が明らかになります。また、議論を論理的に進めることにより、短時間で明確な議論ができるようにするコツを各自が身につけて行くことも大切です。
[C] 応用
ディベートはその場の議論の勝ち負けで終わりにするのではなく、肯定側と否定側のそれぞれの利点、欠点が明らかになることを活用して、例えば、積極的に政策提言などをすることに応用できます。例えば、「福祉目的税導入の是非」に関してこの政策提言型のディベートを行い報告書としてまとめる、ということもできます。

■グループ・プレゼンテーション "GP"

[A] 形式
プレゼンテーションを行うグループが、あらかじめ決めてある統一テーマに沿った個別テーマに関する報告を行い、それをもとに参加者と討論を行います。ディベート(ポリシー・ディベート)の題材や省庁からパブリックコメントが求められている政策課題等について個別テーマを設定し、資料の収集、当日の発表資料の準備やプレゼンテーション、そして報告書の作成などをすべてグループで行うのが特徴です。
[B] 目的
テーマの設定から、資料の収集、プレゼンテーションの準備、そしてプレゼンテーションを、複数の人で協同して行うことで、作業の分担や知識の共有の方法を学び、また、異なる専門の人々とのコミュニケーションの能力を養います。
[C] 応用
1つの統一テーマに沿って、複数のグループが個別テーマを設定し発表することで、1つのテーマに対する様々な視点と分析が得られることが期待されます。すべてのグループの発表を1つのドキュメントにまとめあげてリサーチ・ペーパーを作成するなどすれば、貴重な議論が形になって残ります。特に成果についてはパブリックコメントとして提出するなど、対外的に提案することを目標にすることが求められます。

■スモールグループ・ディスカッション "スモグ,SG"

[A] 形式
スモールグループ・ディスカッションは、あるテーマについてディスカッションしたいメンバーがあつまり、資料等を用いて十分に議論するというものです。テーマに関しては、ディベートやグループ・プレゼンテーションのテーマをさらに掘り下げて、問題解決策についての議論をすることが求められます。必要に応じて教員に声をかけ、討論への参加を呼びかけることで議論により深みが出てくるでしょう。
[B] 目的
オープンセッションが発表者の報告をもとに討論するのと対比した場合には、スモールグループはテーマについて共通の関心があること、時間をかけて議論すること、参加者がディスカッションの場で対等な (発表者と聴衆という相違がない)立場で議論できるということに特徴があります。このような議論を試みる場合に、スモールグループ・ディスカッションは効果を発揮します。
[C] 応用
スモールグループ・ディスカッションは、教員を交える形でより専門的な議論をすることが可能になります。また、文献講読の自主ゼミを開催する前または後にスモールグループ・ディスカッションを行うことで、内容の深い議論ができる場合があります。

■長期課題

長期課題は、一つのテーマを複数のグループに分かれ1年半に渡って様々な角度から検討し、報告書を作成するプロジェクトベースのプログラムです。GPやSGを駆使してより高度な内容を行います。

■スピーチ

OS、DB, GP、SG等は資料を提示しながら行うことが多いです。しかし、資料を提示しないで聴衆に自分の考えを理解してもらうことも大切です。

■日程

毎月1回のペースで開催されています。 DPの後にはVALDES教員,客員研究員,外部講師の先生などの報告のフォーラムも開催されます。
前期と後期の間の、夏休み(例年9月)には、オプションとして交流ディスカッションもあります。

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