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"Consensus Building" Seminar

セミナーの様子COMMEMTS

受講生の感想(2022年度)


【A「討議民主主義と合意形成」クラス】
  • 「討議民主主義」については、全く知らなかったので、大変興味深かった。とはいえ、講義だけで十分に理解できたかというと、できていないように思う。今後時間を見つけて、参考文献など読んでみたいと思った。
  • これほどまでに面白い授業を受けたことが過去なかったので、参加できてよかったです。また、1 回目のアクティブラーニング的な構成や、2回目の書籍、独学では到底学ぶことはできない講座内容で多いに感動しました。事前の参考文献が多く社会人にはストレッチがかかりましたが、学びとはこういうものだと教えていただきました。受講後は何とも言えない爽快感があります。また、機会があれば参加したいです。ありがとうございました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    文献を読まずに理解できるよう心掛けたのですが、内容の全体像を講義でつかんでいいただいて、興味があるようでしたら文献を読んでいただくと、批判的に文献を読めるようになると思います。
  • 実践形式で学べたのが非常に面白かった。度々でてくるアンケートでは、自分の考えと他人の考えがいかに違うかを実感でき、「世の中こんなにみんなバラバラでは、どうやって物事を決めていけばいいんだろうか?不完全な代表民主制に頼る以外はやはりないのだろうな」とも思った。期待していた市民参加型プロセスも、多くの問題点をはらんでおり、社会学の奥深さと難しさを感じた。
  • 実際に「DP」を体験したり、オンラインでアンケートに回答しながら講義を受ける形態は、かなり内容の理解促進になったかと思います。
  • これまでにアカデミックな舞台で提案・議論されてきた合意形成手段を複数知ることができた。初めて知る概念ばかりで理解が追い付いていない部分があるかと思うが、後日参考文献を読んで理解を深めたいと感じた。
  • 坂野先生のお話は自分が全く存じ上げないものだったので新鮮でした。この2週間スケジューリングがうまく出来す、復習に時間を割けなかったので、教えて頂いた内容がまだ頭にはいっていないので、非常にもったいない事をしてしまったと反省しております。
  • テーマをよく知らずに受講したが、講座関係資料や参考文献の事前掲載等、きめ細やかなセミナー実施グループと事務のフォローもあったので、楽しく理解を深めることができた。知らなかった分野に消極的だったが、世の中の流れを理解するにはいい機会だった。有難うございました。
  • 討議民主主義の社会実装として討議型世論調査という手法があることを初めて知り,また高レベル放射性廃物処分方法をテーマに,実際に先生と受講生で疑似体験することができてとても有意義でした.また,ミニ・パブリックスについて,その活用方法の類型と概況を知ることができて非常に勉強になった.本セミナーの全体テーマは合意形成であるが,本クラスで学んだ熟議民主主義・討議型世論調査について,合意形成においてどのような効果があり,実際の政策手法としてどれくらい使えるのかについては十分にわからなかった.各講師先生の専門分野に関連した内容や手法を学ぶだけでなく,それらについても明確にして講義をして欲しいです.毎回初めて聞く単語が多く,合意形成の基礎的知識がある者にとっては説明不要かもしれないが,本セミナーは社会人対象のセミナーであるため,私のような合意形成の素人で今回セミナーに参加して勉強したいと参加してしている者もいるので,単語の定義を最初にして欲しいです.
    →(クラス担当講師からの回答)
    専門用語についての知識を前提にせずに内容がわかるようにできるだけしようと思っていました。DPの疑似体験やWEBアンケートはそのための工夫でした。専門的な概念よりは、まず、体験して感じたことをベースにして、考えをまとめていただくことが意図でした。専門的概念、理論は、考えをまとめる際の道具として、まずは触れていただき、興味があれば深く学ぶためのきっかけになればと考えていました。用語解説を最初にというご意見は、今後の、進め方の参考にさせていただきます。
  • オンライン講義でも、受講生と意見交換、交流が良くできる仕組みが作られており、飽きることなく参加できました。
  • どうして国会などでは熟議ができないのか不思議に思っていた。その原因としては政党政治により党派的な意見の拘束があるかぎり、社会的に重要な問題ほど熟議が期待できず、コミュニケーション合理性は機能しないということがこの講義を聞いてよく理解できた。とにかく、合意形成の理論的側面については、初めて聞く話ばかりで目からウロコが落ちるようで、二回の講義がとても楽しく聴講させて頂きました。参考文献も教えて頂いたので、これから少しつづ読み進めていくのが楽しみです。
  • これまで講義としては2回、参加させて頂きましたが、毎回濃密な時間を過ごすことができ非常に実りある時間となっております。今後さらに、業務に活かせるよう、集中して参加したいと思います。引き続きよろしくお願い致します。
  • ミニ・パブリックス型の手法では、無作為抽出市民による討議や専門家への質疑応答などを通して、確かに問題への理解が深まったり「よりよい判断」を促したりするとは思いました。しかし、本当に「十分な討議」ができるのか(特に複数の論点がある場合)、「よりよい判断」とは一体何か、この手法が「合意形成」につながるのか、というところでは疑問が残りました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ミニ・パブリックスの運用上の改善余地は多々あると思います。また、ご指摘のように、ミニ・パブリックスですべて解決できるわけはありません。社会全体の合意形成に、ミニ・パブリックスをどう接続するかは、ようやく議論が始まった段階です。
  • 本題とは少しずれますが、特に(今回扱った「高レベル放射性廃棄物処分方法」のような)トランスサイエンス的な問題に関してそれを行う場合には、その問題そのものについて一般市民がどう考えるかということ以前に、政治家や専門家(科学者)たちが起こりうるリスクに適切に対応するための「誠実性」「態度」「責任」を備えているか(への疑念)、また一般市民から彼らに対してどれだけの「信頼」があるかという、より倫理的な問題が大きくなってくると考えます。
    →(クラス担当講師からの回答)
    フィンランドで処分場が決定できた背景には、科学技術者や政府に対する国民の信頼の高さがあると指摘されています。
  • 無作為抽出市民が当該の問題についての「熟議」と「判断」を行えるようにするためにも、政治家や専門家が、リスクへの対処プランをしっかり定めたり、それを平時から誠実に伝えたりすることが必要です。その際には、科学的・客観的な知識、データ、予測等の一方的啓蒙をするのではなく、それらに対して受け手である市民たちがそれぞれ主観的な価値判断・意味づけを行うことを意識して、多くの人々が安心感をもって「納得」できるための状況を作ることが必要です。そこがうまくいかないと、なかなか専門家と非専門家の判断のギャップも埋まらないし、集団的意思も適切に形成されていかないと思いました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    学術会議の答申の基本的な考え方もご指摘の通りです。
  • この2週間のセッションにおいて、私自身、福島復興に関わる10年程度の期間、この災害の教訓は何かを考えてきた中で、支配的階層≒意思決定層のリスクを低く見積もる傾向というのが、一つ腑に落ちた。それを踏まえた制度設計が今後求められ、この示唆が得られたことが、それだけで本セミナーに参加した意義があったと思えるものであった。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ありがとうございます。
  • ウェブでの参加ながら、グループで討議を行ったり、講義に関連したウェブアンケートを実施したりとただ講義を聞くよりも興味深く参加できました。
  • 合意形成が必要であると思っていても、そのための方法は一つではなく、無作為抽出市民による合意形成のための制度やルール作りのための合意形成も必要だとすると、どこから始めていいかわからなくなりました。
  • 参加しない市民、関心のない市民をアンケートから始めて無作為抽出市民による合意形成のための討議することで、市民全体の意識を向上させることできる可能性があると思った。
  • 市民が安心して発言できる場があれば、市民は口を開くのは理想的だと思う。これは、雰囲気の問題のような気がする。
    →(クラス担当講師からの回答)
    小集団で、無作為抽出した市民であれば、こういった場は比較的短時間でできることがこれまでの経験で分かっています。1日ではなく、2泊3日、食事をともにするなどの経験がそういった関係性の構築に役立つこともわかっています。
  • 色々情報が多く、消化不良ですが、これからも考え続けていけたらと思います。
  • 日本の空気は、ある意味合意形成が無言で忖度してなされているのかもしれない。よい方向へも悪い方向にも作用しているのではないか。
    →(クラス担当講師からの回答)
    合理的であることと、感情的であることは必ずしも矛盾しないことが、セミナーで紹介したSlovocが掘り下げて研究しています。問題は、感情的といっても感情にはさまざまの感情があります。不確実な環境下でも、建設的な思考、行動を促すために必要な感情と、自暴自棄に陥る感情があるように。両者の関係についても、優れたリーダーと呼ばれる方たちは、経験的な知をお持ちだとは思いますが、学問的には未開拓な領域だと思います。
  • 政策検討や委員会を運営していく場合には、専門家に意見を仰ぐことが多いのですが、そもそも専門家と市民意識レベルとの乖離があるために、政治不信につながっていることもあるのではないか、その部分をミニ・パブリックスによって埋められるのならば、システムとして有効であると思いました。一方、トランジションマネジメントが必要なアジェンダの場合、そもそも倫理的判断がなされていなかったり、長期的な視点でみたときのメリットデメリットが明確に示せなかったりすることも多いので、合意形成に至るのはかなり難しいのではないかと思いました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    生命倫理をはじめ、この領域の倫理判断を専門とする研究者は増えていると思います。ですので、専門家の判断と市民の判断は、ともに社会的に構築される途上にあると思います。両者をどう結び付けるかが、問われているのだと思います。
  • 講義のDP事例を参考にして一度実施してみたいと思います。坂野先生ありがとうございました。


    (2022年度A「討議民主主義と合意形成」クラスにて)



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