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"Consensus Building" Seminar

セミナーの様子COMMEMTS

受講生の感想(2022年度)


【C「対話の場をデザインする」クラス】
  • 合意形成とは話し合いなのかという問いが自身の中でありましたが、話し合いの有無に関わらず、結果は同じであっても、話し合いのプロセスを経て変容することが合意上重要なのだな、と解釈しました。
  • クラスを重ねるごとに合意形成に必要な視点や過程、手法を理解していくことができました。本クラスでは確固たる方法そのものより、先生のご研究や授業の進め方などから、合意形成に必要なスタンスや心構えを学ぶことができました。文献や理論ではわかりにくいソフト面についての理解が深まったと思います。ありがとうございました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ご指摘の通り、「変容」がなければ合意形成はないのかなと思います。話し合いの場を通して、みなで新しい解を作り上げていきたいという主催者側のスタンスをしっかり伝えることも大事だなと思っています。
  • 「各論点に対する意識の差を顕在化するとともに、差から対話を生み出す」という視点は刺激でした。自分も普段から意識していることですが、改めていろいろな事例とともにお話いただいたことで、違う角度から理解できたように思いました。ありがとうございました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    差→揺さぶり→哲学ですね!
  • 合意形成はビジネスとして成り立つでしょうか。(すでに成り立っているのでしょうか)
  • 自分がファシリテーターの立場で、合意形成のプロセスをデザインし、実践をしていくと考えた場合には、やはりネックになるのは費用と時間だと感じました。必要な期間は内容にもよりますが、簡単なもので半年〜1年、やや複雑なものでは2〜3年、難易度が高いのもだと3年以上〜と想像します。合意形成を業務として受注する場合には、設計に3か月〜半年(長いと1年くらい)かけ、3〜10回ほどの実践が必要なことが想定されます。すると年間300-500万ほどの予算規模が必要だと思われ、必要期間が3年としたら1000万-1500万円ほどになると予測されます。合意形成にこれだけの費用を払う自治体や企業は存在するでしょうか。(環境アセスメントの一環としての住民説明会などではなく)豊田先生が実践されているような里山コミュニティの合意形成を仕事として営利企業がやっている事例があれば、どれくらいの費用感で受注しているのかを知りたいです。(現状は大学やNPO法人が多いように思います・・・)
    →(クラス担当講師からの回答)
    確かにそうですね。合意形成のプロセス設計にお金がつかないのが、日本の課題としてありますね。その根底には、話し合いのプロセスの設計によって、事業の進み方が大きく変わるという認識が弱いからだと思います。大学は、確かに安価で動けますが、それでも依頼は少ないなと思います。
  • 合意形成のファシリテーター(プロセス設計など、すべて担当可能な人)を名乗るのには、どのような経験や、資格、学歴が必要だと思いますか。実際には一会社員がファシリテーターを名乗るのは難しいと思いますので、合意形成を業務として受注したい場合には、外部の専門家を1名(ないしは数名)招聘し、指示を仰ぎ、専門性がそこまで求められない作業は社員が担当し(会場準備やある程度型の決まったファシリテーション)、合意形成のプロセス設計や全体ファシリテーションなどは専門家がする、というのが現実的なように思いますが・・・・・。
    →(クラス担当講師からの回答)
    わたしたちもコンサルの方に依頼されて、デザインや進行を担うことがよくあります。ミーティングを重ね、一緒にデザインしていく感じで進めます。どんな資格や学歴が必要か・・・難しいです。わたしの指導教官が「コンセンサス・コーディネーター」という肩書きで活躍していますが、プロセス全体の設計を行なっています。(ファシリテーターだと話し合いの進行というイメージが強くなってしまいますね。)プロセスデザインの経験が評価されるようなしくみがあるといいですね。
  • 2日目においては、両先生方の対談方式でのお話であった。それぞれご活躍されている「場」も異なっているように思われましたが、その中で共通すること、若干ちがったりすることろなどを伺って、興味深かったです。
    →(クラス担当講師からの回答)
    「農村」と「都市」という違いにあまり焦点をあてて説明しませんでしたが、違いを整理してみると面白いかもしれないと思いました。小規模の農村では、人間関係が濃密で、ステレオタイプでお互い見てしまうこともありますし、よりよいアウトプットを生み出すことよりも、合意の形式(全員が印判ついたかなど)が重んじられることも多いなと思っています。
  • これまでは、合意形成の概念的なお話でしたが、今回のクラスはより現場レベルでの先生方のご経験を聞けるクラスでした。中々聞くことのできない、今まで経験してきた生々しい現場のお話が多くあったように思います。ただ同時にそのような現場でも、良い方向にもっていくことができるかは、準備次第だと感じることができました。また、合意形成のいくつかのテーマに対しての、高田先生との議論も非常に興味深かったです。
    →(クラス担当講師からの回答)
    合意形成の現場は一期一会で、完全にパターン化できない状況の把握が必要だなと思っています。理論だけでなく、経験とそれにもとづく直感も必要ですので、全てを言語化して説明できないという課題もあります。
  • 2回目後半に対話形式の探求時間を設けてあったことは斬新でよかった。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ありがとうございます。あのような議論を重ねて、プロセスを設計していくことが大切だと思っています。
  • 自分の専門がビジネス系の合意形成から地域、市民活動系の合意形成に移っていくタイミングで、いろいろモヤモヤすることも多い中、経験にもとづく講義、対談はとても役に立った。
    →(クラス担当講師からの回答)
    よかったです。ありがとうございます。
  • 豊田先生は具体的な事例を使って講義されたので、合意形成の難しさが良くわかりました。トキの自然復帰や農村地域の活性化は、グローバリゼーションによる輸入品の影響で産業が衰退し、人口流出が止まらない地方自治体が住民を引き留めるために実施しているように思えました。地方自治体の職員も直接の解決策が見いだせないので、地域の皆さんで決めて下さい。と丸投げしている。こういう状況は豊田先生が色々な対話デザインの手法を開発する格好の機会を提供しているのではないかと思いました。講義を聞いていて民主主義が定着するには人々の地道な努力と辛抱も必要だと思いました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    そうですね。確かに貴重な機会をいただいています(笑)。かつては一人相撲のようでしたが、今は、自治体と一緒に対話的な政策づくり、施策展開のしくみを作っています。Deep democracyです。
  • 環境活動だけでなく、まちおこしなどの市民活動に「見える化」ツールを使ってみたい。
    →(クラス担当講師からの回答)
    役立つと思います。質問項目は、状況に合わせて適宜変えて良いと思います。
  • これまで「合意形成」いう言葉にあまり馴染みは無かったので「合意」と「同意」の違いについても考えた事はありませんでしたが、講義を終えて、確かに違いますね、と思えるようになりました。
    一方で、やはり「合意形成」には時間も根気も必要なので、限られた時間の中で気軽に取り組むにはまだまだハードルが高いな、とも感じました。できるところから取り組みたいと思います。
    →(クラス担当講師からの回答)
    むしろ、合意形成は楽しい変革の時間だと思っています。合意形成をどう組み込むかというと重たく感じるかもしれませんが、価値ある対話の時間をさまざまな場面で組み込んでいくことが重要なのかと思います。
  • 豊田先生の講義は、まさしく地元の中に入り込んで行ってきた活動から得られた実践知が詰まっている感じです。経験されたことを分かりやすい言葉に変換して、学術的に分析されている点に関心を持ちました。全体を通して、「市民目線」で対話を続けるなかで合意形成を達成するということが貫かれているように感じました。
  • 豊田先生と高田先生の対談によるテーマの深堀が面白い方法でした。ライブで意見や体験を際限なく出し合えることは、お二人に豊富な知見があるからこそで、力量の高さに感銘を受けました。
  • グループワークは、15分では意見を整理しきれませんでしたが、3人で様々は視点で議論ができ、良い刺激になりました。また他のグループの意見にも触れることができ、これがこのセミナーの魅力に一つだと感じました。楽しかったです。
  • ライブで出席できなかったときでも、録画を視聴することでキャッチアップできました。画質も音声も大変良く、とても助かりました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ありがとうございます。全ての経験を言語化できているわけではないのですが、皆様から質問や対談のトピックをお寄せいただき、高田さんと対話をする中で引き出される情報もあったかと思います。
  • 「思考を揺さぶる」というフレーズがとても刺さりました。知らないうちに波風を立てないよう場を進めていこうとしている自分がいたことに気づきました。2回を通じて、猪原先生の穏やかな話し方と笑顔で安心できる場が作られていたと感じます。豊田先生と高田先生の雰囲気もとても安心できました。ありがとうございます。次回以降も楽しみにしております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
    →(クラス担当講師からの回答)
    わたしの対話デザインのベースに、哲学対話があるので、固定観念を揺さぶることで見えてくる新しい地平を大切にしたいと思っています。それが可能になるのも、場のセーフティ(安心感)があってこそかなと。
  • 2つめのセッションであった「合意形成のファシリテーションにあたっては、当初の提案とは全く異なる結論(ネガティブな結論)でも結果は受け入れる」というのは、合意と同意の違いというところを表していると感じました。
    ・合意は至るもの
    ・同意は得るもの
    言葉が違えば狙うものも本来違うということなので、
    ・合意形成をしたいのか、同意を得たいのか
    ・合意形成を目指したほうがいいのか、同意を得ることに全力を尽くしたほうがいいのか
    どちらを選ぶかという判断も重要だと感じました。
    →(クラス担当講師からの回答)
    そうなのです。多くの方が「合意を得る」と言いがちなのですが、合意はみなで作るものだと区別して理解しています。ご指摘の通り、同意を得ることが必要な場面もあると思います。もちろん多数決が必要な場面もあるかもしれない。でも、それだけではない、参加した人々が考える主体となって、一緒に考えを生み出していくコミュニケーションも重要で、その部分をどうするかということをお話ししたいと思っておりました。
  • 来年度、佐渡に学生のフィールドワークに連れて行ける機会ができましたら、豊田先生と連携できると幸いです。
    →(クラス担当講師からの回答)
    ぜひよろしくお願いします。お待ちしています。


    (2022年度C「対話の場をデザインするクラス」クラスにて)



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